【株価分析】あみやき亭(2753)の中間決算を分析|売上10%増でも減益、通期予想を下方修正
本記事は投資に関する情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。また、記事内のグラフ・表・数値には誤りが含まれる可能性があり、正確性を保証するものではありません。重要な判断を行う際は、決算資料等の一次情報を必ずご確認ください。
決算概要:売上10%増でも営業利益は14%減
2026年10月5日、焼肉チェーンのあみやき亭(2753)が2027年3月期の中間決算を発表しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売上高(上期) | 199.60億円(+10.1%) |
| 営業利益(上期) | 8.47億円(−14.0%) |
| 通期の営業利益予想 | 20.00億円(25.00億円から下方修正) |
| 年間配当予想 | 34円(据え置き) |
| 株価(10月5日終値) | 1,334円(−2.98%) |
出典:中間決算短信 PDF1ページ、業績予想修正 PDF2ページより作成
売上は伸びたのに利益は減り、通期予想も下方修正という決算です。
※決算・月次・株価は2026年10月5日時点、株主優待の条件は10月6日に公式資料で確認しています。
あみやき亭は、焼肉が半数以上を占める外食企業
あみやき亭は愛知県に本社を置き、焼肉の「あみやき亭」、焼鳥の「美濃路」、レストランの「スエヒロ館」などを展開する会社です。
2026年9月末の店舗数は311店舗で、そのうち焼肉が162店舗と半数以上を占めています。
焼肉の客数がどのように推移しているかは、会社全体の業績を見極める上でも重要なポイントです。
出典:あみやき亭 中間決算短信 PDF4ページ(印刷2ページ)
既存店の増収は、客数より客単価
| 指標 | 前年同期比 |
|---|---|
| 連結売上高(上期) | +10.1% |
| 既存店売上(上期) | +2.8% |
| 既存店客数(上期) | +0.6% |
| 既存店客単価(上期・試算) | +2.2% |
| 焼肉の既存店客数(上期) | −0.3% |
| 焼肉の既存店客数(9月) | −5.1% |
※ 客単価は「102.8 ÷ 100.6 − 1」の試算
出典:中間決算短信 PDF1ページ、2026年9月の月次資料 PDF1ページより作成
既存店の伸びは2.8%にとどまり、それも客数というよりは客単価の上昇によって支えられている状況です。
特に主力の焼肉において、9月の客数が5%減少している点は非常に懸念される材料です。
※連結売上には新店や、2025年に買収したクーデションの店舗も含まれます。
※クーデションの店舗は2026年9月から既存店に加わっています。
売上はほぼ計画どおり、営業利益は計画を25.6%下回った
| 上期 | 当初計画 | 実績 | 計画比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 200.00億円 | 199.60億円 | −0.2% |
| 営業利益 | 11.40億円 | 8.47億円 | −25.6% |
出典:業績予想と実績の差異・通期予想修正 PDF1ページより作成
会社側の説明によると、原材料費や人件費、物流費、光熱費、販促費などの各種コストが想定を上回ったとのことです。
売上は維持できたものの、利益を残せなかった決算内容と言えます。
| 売上に対する割合 | 前年上期 | 今上期 |
|---|---|---|
| 売上原価率 | 40.23% | 41.53% |
| 販管費率 | 54.33% | 54.22% |
| 営業利益率 | 5.44% | 4.24% |
出典:中間決算短信 PDF8ページ(印刷6ページ)の連結損益計算書から試算
前年同期と比較すると、利益率の低下はほぼ原価率の上昇によるものだと分かります。
なお、人件費等の上昇については、売上高の増加によって吸収できているようです。
通期の営業利益予想は、25億円から20億円へ
| 営業利益 | 修正前 | 修正後 |
|---|---|---|
| 通期予想 | 25.00億円 | 20.00億円 |
| うち下期(試算) | 13.60億円 | 11.53億円 |
出典:業績予想修正 PDF2ページ、中間決算短信 PDF8ページより作成
会社側は、コスト高や値上げに伴う消費者の節約志向が下期も継続すると見込んでいます。
※下期は、修正前を「通期予想 − 上期計画」、修正後を「通期予想 − 上期実績」として試算しています。
飲食業界全体が、同じように悪いわけではない
| 2026年8月 | 売上の前年同月比 | 客数の前年同月比 |
|---|---|---|
| 外食全体 | +4.9% | +2.6% |
| 焼肉 | +1.2% | −0.8% |
出典:日本フードサービス協会 8月調査 PDF1〜2ページより作成
外食業界全体としてはむしろ好調に推移しており、焼肉分野でも7月は客数が6.1%増加していました(7月調査 PDF2ページ)。
| 企業 | 2026年4〜6月の営業利益・前年同期比 |
|---|---|
| 物語コーポレーション | +31.2% |
| 安楽亭 | −18.1% |
出典:物語コーポレーション FACT BOOK PDF3ページ(印刷2ページ)、安楽亭 第1四半期決算短信 PDF1ページより作成
このように、同じ外食産業であっても増益企業と減益企業で明暗がはっきりと分かれています。
| 2026年8月の既存店 | 売上の前年同月比 | 客数の前年同月比 |
|---|---|---|
| 物語コーポレーション・焼肉 | +3.6% | −1.4% |
| サイゼリヤ・国内 | +10.9% | +9.2% |
出典:物語コーポレーション 8月月次 PDF1〜2ページ、サイゼリヤ 8月月次 PDF1ページより作成
相次ぐ値上げのなか、価格面での値ごろ感やお得感で選ばれる店舗に顧客が集中している傾向が見受けられます。
※物語コーポレーションには焼肉以外の業態や海外事業も含まれます。
※既存店の定義は各社により異なります。
配当は据え置き、優待は年1回の食事券
年間配当予想は34円で、今回の決算発表における変更はありませんでした。
ただし、利益予想の下方修正に伴い、利益に対する配当の余力は低下しています。
株主優待については、毎年3月31日時点の株主に対して、グループ店舗で利用可能な飲食券(1,000円券)が贈呈されます。
保有株式数や保有期間に応じて、受け取れる優待内容が充実する仕組みです。
| 保有株数 | 優待飲食券 | お米引換 | 長期保有の上乗せ | 長期保有時の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 100〜199株 | 1,000円(1,000円×1枚) | なし | なし | 1,000円 |
| 200〜299株 | 2,000円(1,000円×2枚) | なし | なし | 2,000円 |
| 300〜599株 | 4,000円(1,000円×4枚) | なし | 1,000円(1,000円×1枚) | 5,000円 |
| 600〜899株 | 7,000円(1,000円×7枚) | なし | 1,000円(1,000円×1枚) | 8,000円 |
| 900〜1,499株 | 12,000円(1,000円×12枚) | 全部引換で新潟県産コシヒカリ7.5kg | 2,000円(1,000円×2枚) | 14,000円 |
| 1,500株以上 | 18,000円(1,000円×18枚) | 全部引換で新潟県産コシヒカリ10kg | 4,000円(1,000円×4枚) | 22,000円 |
※「長期保有時の合計」は、優待飲食券と長期保有の上乗せ分を合算した金額です(当ブログによる試算)。
※長期保有の上乗せは、100株以上を3年以上継続保有し、株主名簿(9月30日・3月31日)に同一株主番号で7回以上連続して記載されていることが条件となります。
※保有株数は、直近の基準日時点における株数で判定されます。
※お米への引き換えは、飲食券をすべて引き換える場合に選択可能です。
※「感動の肉と米」や「お肉の工場直売市」など、一部の店舗では利用できません。
出典:中間決算短信 PDF1ページ、株主優待の公式ページ、第31期有価証券報告書 PDF96ページ(印刷92ページ)
財務には余裕がある
| 2026年9月末 | 金額・比率 |
|---|---|
| 現金及び預金 | 84.45億円 |
| 借入金 | 9.40億円 |
| 自己資本比率 | 77.1% |
出典:中間決算短信 PDF1・6〜7ページ
手元資金は豊富に確保されており、財務面での懸念は極めて低いと言えます。
今後の注目点は、本業における収益性が回復していくかどうかにあります。
※借入金は短期・1年内返済予定・長期の合計額であり、リース債務などは含みません。
TOPIXから段階的に除外されることに
(2026年10月9日追記)
2026年10月7日、JPX総研がTOPIXの初回定期入替結果を公表しました。
あみやき亭は、継続採用の基準を満たさなかった「移行措置銘柄」683銘柄の1つに該当しています。
新しいTOPIXは、従来の市場区分ではなく、売買の活発さ(年間売買代金回転率)と浮動株時価総額で銘柄を選定するルールへ変更されました。
即座に除外されるわけではなく、2026年10月30日から2028年7月にかけて、四半期ごと8回に分けて組入比率がゼロまで引き下げられます。
ただし、2027年10月に再評価が行われ、そこで継続基準を満たせば引き下げは停止します。
一方で、TOPIXに選定されなかった銘柄のうち、一定の流動性を有する銘柄で構成される新指数「TOPIX Next-tier」(10月30日算出開始)には採用されました。
つまり、再評価で基準を満たさなければ、TOPIXに連動して運用するインデックスファンドやETF、年金のパッシブ運用などが、2028年7月までの約1年9か月をかけて、あみやき亭の株を少しずつ売っていくことになります。
出典:TOPIX初回定期入替の選定結果 PDF3ページ、別紙 PDF7ページ、TOPIX Next-tier構成銘柄一覧 PDF2ページ、TOPIXの見直し(その他の見直し)
感想「悲観はしてないが、様子見」
僕は、今回の決算だけであみやき亭がもうダメだとは一切思いません。
自己資本がしっかりしていますし、買収による新規店舗が稼働して売上は伸びています。
コスト増加の課題が論点であり、課題が明確な場合は対応もしやすいと思います。
飲食店で、売上が伸びているっていうのは強いと思います。
配当は維持され、優待もあります。
とはいえ投資家目線だと営業利益 −25.6% というのは、売りたくなる数字に見えます。
この銘柄を買うとしたら、この営業利益が受け入れられて来期も減益するかなって織り込まれたタイミングになると思います。
あみやき亭は、肉の質がほかの食べ放題のお店と比較して頑張ってくれている方だと思うので、根強い人気があるとは思ってます。
参考資料
あみやき亭
- 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信
- 第2四半期(累計)連結業績予想と実績値との差異及び通期業績予想の修正に関するお知らせ
- 連結月次売上前年比較推移表(2026年9月)
- 株主優待
- 第31期 有価証券報告書
- 時系列株価(Yahoo!ファイナンス)
TOPIXの定期入替(JPX総研・2026年10月7日公表)
- TOPIX等の株価指数における構成銘柄の定期入替等について
- TOPIX初回定期入替における選定結果(2026年10月30日実施)及び構成銘柄一覧
- 2026年10月初回定期入替の結果(別紙)
- TOPIX Next-tier 構成銘柄一覧(2026年10月30日予定)
- TOPIXの見直し(その他の見直し)
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